サイト制作者の憂鬱

代表的ブログツールである Movable Type や WordPress、Nucleus などが、しばしば、主要 CMS としても語られることがあります。これは、前述のとおり、ブログツールが CMS の代用として使われた歴史的経緯があるためです(現在もよく使われている)。

21世紀初頭(と、大げさな表現をすることもないが)、ウェブサイト制作者たちは、大きな悩みを抱えていました。

増え続けるウェブサイト、殺到する注文、それに反比例して下がる制作費。企業サイト制作に数千万円もかけていた時代はとうに去り、小さな会社では、数百万円どころか数十万円でなんとか、という時代になっていました。

それでも仕事は引き受けていましたが、問題は、その後のサイト更新をどうするか、です。まだまだ、会社のホームページがないのはかっこう悪い、という見栄だけでサイトをつくっていた時代ですが、更新されないサイトを再度訪問する人はいないことは、すでにわかっていました。

クリエイターたち(ディレクターやデザイナー、プログラマー)は、サイトの管理・更新は自分たちの仕事ではないと考えており、また、営業も「更新しないと誰も見にこなくなりますよ」とクライアントにはいうものの、この値段ではサイト管理までは引き受けかねず、また、ちょっとした書き換えに、多大な料金を請求するわけにもいきませんでした。

そこに現れたのが Movable Type なのですが(2001年リリース)、当時、これが何に使えるのか、わかっている日本人ウェブサイト制作者はひとりもいませんでした。

2003年末、大手プロバイダー初のブログサービス、「ココログ」提供開始。2004年、Movable Type 3.0 日本語版リリース。以後、Movable Type を旗艦にブログの快進撃がはじまります。
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